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幸村vs政宗、って聞くだけでわくわくしますよね。

この二人対戦してたんだ、って。


『武将感状記』からこのあたりの記述を拾ってみましょう。

伊達軍との接触が始まろうとしたとき、幸村は全軍に次のように命じた。
「かぶとを脱げ。槍を手に持つな。馬のそばに寄り添って次の命令を待て」

敵が攻め寄せてきて互いの距離が1キロほどになったとき、幸村は命じた。
「かぶとをつけよ」
この命令で一同はかぶとをかぶり、あご紐をきりっと結んだので、
全員の勇気が一層盛り上がり、決戦の気構えがますます旺盛になってきた。

いよいよ敵が二百メートルの距離まで押し寄せてきたとき、さらに幸村は命じた。
「槍を取れ」
全員、槍を取り上げて、穂先を敵に向けて身構える。
こうなると不思議なもので、全員の胸の内には新しく必勝の信念がわきあがる。
このへんが幸村の用兵術の巧みさと言えよう。

真田勢の意外な陣形を見て、伊達軍の騎馬鉄砲隊も一瞬ひるんだ。
頃はよしと見てとった幸村。さっと采配を挙げ、
「かかれっ」と大音声で命じた。

号令一下、いっせいに立ち上がった真田勢が槍先をそろえて突撃していくと、
さすがの伊達勢も支えきれず、一、二キロほど後退していく。


・勇将のもとに弱卒なし

さて、勇敢で強い大将の部下には弱い兵卒はいない、と言いますが、
政宗率いる伊達軍が奥州を席巻してから二十五年。
1590年の小田原攻めの当時、二十歳の若者でも、
1615年の大坂夏の陣にはすでに四十五歳です。「人生五十年~」の頃の話です。

とはいえ、大坂方の浪人衆も関ヶ原の戦い以後、戦闘経験はありません。
ただ、実戦を経験したことのある浪人衆がほとんどだったでしょうから、
軍隊を維持する以上は年齢更新が避けられない大名家の軍隊よりも、
個々の戦力の質(経験値)は上だったと思われます。
一方で、組織力ということになりますが、ここは浪人衆の寄せ集めにすぎない真田軍よりも、
累代の家臣団がそろっている伊達軍の方が優っていたと言えるでしょう。
寄せ集めの浪人衆で東軍に立ち向かった幸村の軍略が、いかに秀でていたかわかると思います。


・攻勢限界点に達していた伊達軍?

伊達軍の弁護をしておけば、五月五日に軍を発した伊達軍ら徳川方は
翌六日の朝から道明寺における後藤又兵衛の奮戦に遭遇します。
これを破ったあとで、さらに新手の真田軍との戦いということになりました。

ここは幸村の軍略の巧みさもあって、先手の片倉小十郎(重綱。景綱の子)
は後退を余儀なくされます。

政宗は道明寺での戦功を失いたくないこともあり、諸将と相談の上、徳川方の進撃を止めさせます。
大坂方も撤退命令があり、幸村ら諸隊は大坂城に引き返し、この日の戦闘は終了します。

殿軍は幸村が務めましたが、徳川方は誰も追撃してきません。
この時、幸村が言ったのが、「関東勢百万も候え、男は一人もなく候」の台詞です。
(徳川方百万の中に男は一人もいないのか)

翌日の突撃の場面とともに、幸村の名場面の一つですね。
 
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戦国大名最後の世代だろうねぇ
当時の一般兵の寿命は50年よりももっと短いだろうから、そっちも関ヶ原の戦いから世代交代してたって考えると、幸村のカリスマは相当のもんだね。
あと、西軍東軍って書き方はごっちゃになるから直した方が良いかとw
ぼっこ 2010/01/07(Thu)21:39:46 編集
無題
大坂の陣で西軍(大坂方)・東軍(徳川方)という言い方もあるので。まあ、わかりづらいかもしれないので統一しました。

関ヶ原の戦いの頃でも父ちゃんは有名だったけど、息子はほとんど無名だったからねえ。
冬の陣の真田丸での戦いで名を挙げたのが、夏の陣でも役に立ったね。

最近の戦国人物紹介は豊臣・徳川の権力論になっていますが、今年はこういう逸話も交えた話を多くしていきたいと思っています。
特に原典そのまま(昔の文章)というのも味わっていただければと。原典のよさがありますので。
Rakuna 2010/01/07(Thu)22:32:01 編集
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